Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
無線通信システムにおいては,送信機から送信される信号は送受信機間に形成されるマルチパス伝搬路を経由して受信機に到来するため,マルチパス伝搬によって生じるマルチパスフェージングの影響により伝送特性は劣化する.また,無線通信システムは,通信を目的として意図的に電磁波を開空間に放射するものであるが,無線通信システム以外にも,電子レンジなどの高周波デバイスを用いたISM機器(高周波利用設備)等からも,少なからず電磁波が開空間に放射されることが知られており,これらの電磁波(人工雑音)の影響により無線通信システムの伝送特性は大きく劣化するものと考えられる.そこで本研究では,マルチパスフェージングならびに普及率の高いISM機器である電子レンジから発生する人工雑音環境下での2.4GHz帯無線LANシステムの伝送特性に関する検討を行った.まず,人工雑音の発生状況に応じて適応的に受信セクタを決定するセクタアンテナを用いることによる伝送特性の改善効果を評価し,人工雑音の直接波と信号の直接波ならびに遅延波を分離する角度ダイバーシチを適用することにより,伝送特性が改善されることを明らかにした.次いで,信号と人工雑音の到来角差が僅かな場合においても改善を得るための手法として,アダプティブアレイアンテナを適用した場合の伝送特性についても評価し,それにより伝送特性の改善が得られることを明らかにした.さらに,2.4GHz帯において今後問題化することが予想されるBluetoothシステムとIEEE802.11bに基づく無線LANシステムの干渉についても検討し,Bluetoothシステムからの干渉信号の影響により無線LANシステムの伝送特性が劣化すること,また,無線LANシステムに周波数ダイバーシチを適用することにより,Bluetoothシステムからの干渉の影響を緩和できることを明らかにした.
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