Project/Area Number |
11750327
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報通信工学
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笠原 正治 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20263139)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | QoS / GPS / 動的レート制御 / 情報通信システム / ABR / インターネット / MPEG2 / ジッタ / 自己相似性 |
Research Abstract |
本研究では、高速通信網において従来のマルチメディア通信で考えられてきた以上のQoS保証を実現するため、特にGPS方式に着目し、個々のトラヒックの要求するQoSを保証しながらかつ網内回線の高い利用率を実現するためのGPSパラメータ制御方式の開発を目的とする。具体的には、網の外側でシェーピングされたトラヒックフローを入力とするGPSシステムにおいて、回線容量を決定するGPSパラメータの動的な制御方式を提案し、通信トラヒック理論を基にした性能評価を通じて提案方式の妥当性を検証するものである。平成12年度では以下の項目について研究を行った。 GPSは理論上の通信方式であり、実際の通信に適用するためにはプロトコルにおいて近似的にGPSを実現する必要がある。そこで実現可能な動的レート制御方式としてATMのABRに着目し、個々の入力バッファの輻輳状況に応じた動的レート制御アルゴリズムの提案と評価を行った。ATMにおけるABRはベストエフォート型のデータ転送を提供できるサービスクラスであり、資源管理セルによって輻輳状況に応じた転送レートの変更が可能である。しかしながらフィードバック情報の伝播遅延はネットワークの輻輳状況によって変動するため、安定なフィードバック制御が難しい。そこでABRのVS/VDオプションに着目したバックプロパゲーション型レート制御方式(BP法)を提案した。本方式の特徴は輻輳情報をスイッチ間で交換し、スイッチ毎にレート制御を行う点である。この方式では制御の遅れは各スイッチ間の往復の伝搬遅延とほぼ等しくなり、結果として直前のスイッチのレート制御を迅速に行うことが可能となる。シミュレーション実験から従来のレート制御法に対するBP法の有効性が確認できた。 次にマルチメディア通信のQoSとしてジッタ(遅延揺らぎ)の保証に着目した。ネットワーク内でGPSによるレート制御を実行してもジッタを抑制することは難しい。そこでアプリケーションレベルのQoSを保証するため、送信側でアプリケーションレベルの送出タイミングの同期を取るジッタ抑制手法を提案した。その方式をATM-ABR上で実装した場合、どの程度ジッタが抑制されるかを待ち行列理論を用いた近似解析およびシミュレーションにより評価した。その結果、提案手法を用いるとバックグラウンドトラヒックの影響をそれほど受けることなく安定したアプリケーションデータの送信を実現できることが確認された。
|