Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
最終年度である平成12年度には,前年度の注視点を変更する眼球運動が運動軌跡に与える影響の実際について得られた心理物理実験データをもとに数理モデルを用いて実験結果を整理し,各現象を説明可能な感覚統合過程の数理モデルを同定した.これらの過程から,空間知覚における曲面の表現形態について重要な示唆が得られたため,新たに心理物理実験を計画し,検証を行った.発見された事実は,手で触れることの出来る一連の点列が与えられた場合,これに連なる次の1点を予測せよという課題において,被験者は常にその近傍の3点までしか考慮の対象にしていないという現象であった.この現象から,人間の知覚構造において,曲面の連続性が2次の関数で記述されているという仮説を提案し,数理モデルによるシミュレーション解析によって,各点配置に対する被験者の反応を予測し,実際の心理物理実験による計測結果との比較検証を行った.解析には研究代表者がこれまでの研究においてホロプタやアレイといった心理物理的な知覚現象を説明することに成功している「スカラ加算モデル」を用いた.同モデルは大脳生理学の知見を取り入れて構成された数理モデルであり,生理学的に見て自然な学習上の制約と数理的な扱いにおいて学習の収束段階でのローカルミニマム等の問題を回避できるなどの特徴を持ち,いくつかの新たな心理物理的現象を予測することに成功している.この結果,人間の上肢位置知覚においては曲面の連続性は各関節角の2次関数として記述されており,視覚的なユークリッド座標系上の2次曲面とは異なる形状をより自然な連続形状とみなしていることが明らかとなった.
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