Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
磁気軸受は,非接触支持が可能で摩擦を零と見なせることから超高速回転の技術的な壁を一気に打破するものとして近年期待が大きい。しかし,不安定かつ非線形系で高次共振モードを多数持つことから,制御系設計のためのモデリングが難しいという問題がある。そこで,本研究では,制御のためのモデリングを念頭に置き,近年注目を浴びている,同定と制御器の繰り返し設計法の適用を試みた。具体的には,重み付き感度関数のH_∞ノルムを最適化すべき制御仕様としてJ_<global>で定め,H_∞制御,及び,ARMAXモデルに基づく予測誤差法を繰り返すことで,J_<global>の最適化をはかる手法を適用し,その効果を実験的に検証した。 その結果,以下の知見を得ることができた。 1.多入出力系である磁気軸受系を,フロント側とリア側で分散制御するとを考え,両者の間に干渉はないものと見なして,1入出力系で繰り返し設計を行った。これにより,システム同定で得られるモデルの質が向上し,繰り返し設計の解が収束する様になった。また,得られる制御対象のモデル及び制御器は,システム同定の後に1度だけ制御器を設計する従来手法に比べ,制御性能が向上することが確認された。従って,本手法は,多入出力系である磁気軸受系に対する現実的かつ実用的な適用法であると言える。 2.システム同定の際のパラメータの選定に自由度が非常に多く,その決定は必ずしも容易ではない事が明らかとなった。 なお,磁気軸受系を多入出力系のまま,繰り返し設計法を直接適用すると,予測誤差法に基づくシステム同定がうまくゆかない場合が多々見られた。従って,同定と補償器設計の繰り返し設計法では,制御対象が多入出力系の場合,特にシステム同定の良否が結果を大きく左右する事がわかった。これに関しては今後の課題となる。
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