Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,周術期,すなわち手術中および手術後に高齢者や糖尿病患者の血糖値の上昇による合併症を回避するために,血糖値を低いレベルで維持するための血糖値制御システムを開発することを目的として,(a)手術中,手術後の血糖値制御法の検討,(b)シミュレーションおよび動物実験による血糖値制御法の性能の確認を行った.具体的には,(a)に関しては,インスリンの効果が徐々に変化する場合に,血糖値調節機構の代表的なモデルであるBergmanのモデルに基づく非線形モデルを用いて制御を行う方法と,従来の血糖値制御システムで用いていた「1次遅れ+むだ時間」系モデルでゲインのみを定期的に同定してモデル予測制御を行う方法の二つについて適用方法および特性を検討した.(b)に関しては,(a)で検討した二つの制御法についてシミュレーションおよび動物実験を行い,制御性能について検討を行った.その結果,次のようなことがわかった. ・非線形モデルを制御対象モデルとした場合,個体により調節すべきパラメータが増えるため,適切な制御を行うための調整が容易ではないが,個体差を考慮に入れず制御を行った場合,適切な制御は行えなかったので,制御時の同定結果を利用するパラメータ調整法を確立する必要がある. ・「1次遅れ+むだ時間」系モデルを制御対象モデルとした場合,時間的に変化するパラメータとしては,ゲインのみを考えれば十分である.よって,ゲインのみを定期的に同定することにより,適切な制御を行うことができると考えられる. ・「1次遅れ+むだ時間」系モデルを制御対象モデルとして,定期的にゲインのみを同定し,その結果を用いてモデル予測制御で制御するという方法を動物実験に用いたところ,従来十分に対応できなかったインスリンの効果が非常に小さい個体や高カロリー輸液を行った場合でも適切な制御が行える.
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