Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
モデル予測制御手法とは,プラント出力の長期予測をもとに制御系を設計する手法であり,外乱やモデル化誤差に対してロバスト性が高く,入出力の制約条件が考慮でき,さらに,商業用ソフトウェアが充実しているなどの特徴を持つため,主に化学プロセス制御の分野で広く用いられている.しかし,モデル予測制御手法は化学工学分野もしくは応用現場の中で発展してきたため,システム制御理論分野の先端的な制御手法が十分に活用されていなかった.この問題に対し,当研究者らはシステム制御理論の分野で活発に研究されている2自由度制御系設計手法をモデル予測制御手法に導入することに取り組み,モデル予測制御手法の一種である一般化予測制御(Generalized Predictive Control;GPC)手法を拡張し,その2自由度構成法を与え,新しく提案された手法が,従来のGPC法に比べ,過渡応答やロバスト安定性に優れていることを確認した. 本研究では,そのような2自由度構成されたモデル予測制御手法の1)多変数化,2)適応化を理論と実験の両方面からの有効性の検討を行うことを目的とした. 昨年度は,この研究目的に対し, 1.2自由度GPCの有効性を温度制御系に適用した例の研究発表.(IFAC World Congress,July 1999) 2.状態空間法のGPCの多変数系に拡張する研究発表.(システム制御情報学会論文誌,2000) 3.1入出力系の2自由度GPCを適応系に拡張し,アルバータ州立大学の計算機プロセス制御研究室に2週間滞在して,温度制御用パイロットプラントに適用する実験をおこなった.本年度は,その研究結果に基づき,適応型2自由度GPC手法の提案とその制御手法を温度制御用パイロットプラントに適用した実験結果をイタリア,ピサで開催されたIFAC AdChem 2000において発表した.また,2自由度GPCに関連する本研究の結果も含めた状態空間法を用いたGPCに関する解説記事も,計測自動制御学会の学会誌「計測と制御」に発表した.さらに,適応アルゴリズムの高性能化を目指し,ハイゲインフィードバック制御を用いた適応制御手法の高性能化について論文発表を行った(システム制御情報学会). 以上の研究結果より,本研究の研究目的である2自由度構成されたモデル予測制御手法の多変数化,および適応化に対する基本的な成果が得られたと考えられる.
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