Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
本研究はセンサ系とアクチュエータ系を具備したボディを持つ人工システムが試行錯誤により,目的行動を実現する上で不可欠な環境中の情報を知覚対象(自己尺度)として獲得するためのメカニズムの構築を目的とする.これまでの研究結果から以下のことが明らかになってきている: 1.本研究が目的とする人工自律システムの知覚メカニズム構築には知覚対象を行動と関連付けて創発的に獲得する手法が有効に機能すること. 2.上述の知覚対象を「経験的自己尺度」なるシステムの内部表現として明示的に表現することで,ロボット独自の環境知覚方法を実現でき,これに記号によるラベル付けを行うことで,シンボルグラウンディングが実現できること. 3.経験的自己尺度にラベル付けをして得られた環境の記号表現は従来のAI等における記号表現とはことなり,システム独自のものであり,また,システム自身の行動によって意味付けされているために,従来のAIにおける技法をフレーム問題などにとらわれることなく利用できる可能性があること. 4.経験的自己尺度は(1)センサ情報の内部表現空間への写像,(2)内部表現空間からアクチュエータ(行動空間)への写像,および,(3)行動空間から内部表現空間への逆向きの写像によって実現可能であり,(1)は自己組織化学習により,(2)はニューラルネットワークの強化学習的利用により,そして(3)は(2)の写像を逆向きに用いることにより実装する方法が有効であること. 5.4の実装方法の下で,経験的自己尺度は環境とシステム持つの形状,大きさ,センサといった属性との相互作用により創発的に獲得できること. 6.一方で上述の手法は,実機においては実時間性の実現が困難であること. 上記結果を踏まえ,今後はロボットによる独自の時間感覚の獲得手法構築及び時間感覚に基づく処理の負荷分散手法構築へと研究を発展させていく予定である.
|