Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
ロボットによる組立加工や搬送作業等に用いられる位置決め制御の中で,特に作業範囲内の障害物や狭い場所での作業のように,ロボットが移動する経路を指定する場合を軌跡重視位置決め制御という.通常は軌跡を重視しながら位置制御を行うと動作速度が低下するため,ロボットを最大速度で制御することが多い位置決め制御にとっては,両者を同時に実現することは困難である. 本研究では,高速な軌跡重視位置決め制御を実現するために,位置同期による輪郭制御の概念を位置決め制御に導入した方法を確立する.位置同期軌跡制御は,作業空間の各座標軸上の移動距離を同期させることによって,塗装や溶接作業のようにロボットが移動した軌跡も制御する方法であり,この手法を位置決め制御に応用して速度制限やトルク飽和による誤差を減少させる.さらに,ロボットの各関節モータで生じるトルクをリアルタイムで推定し,その値が十分に低い場合には速度を上げて作業時間の短縮することで,高速化も実現する.以上の2つの手法を組み合わせることで,位置決め制御の高速化と高精度化を両立させることが可能となる. 提案する手法について有用性を検証するために,数値解析ソフトウェアMATLABを用いてシミュレーション解析を行った.解析には多関節ロボットの厳密なモデルが必要となるため,実際のロボットの速度・トルク特性を測定し,モデルを作成した.シミュレーションの結果,速度制限によって生じる軌跡誤差を最大で3分の1まで減少することが確認できた.よって,本手法を用いることで,速度制限を回避するために速度を低下させることないので,結果として時間短縮となりかつ精度よく軌跡制御を行えるといえる.しかしながら,トルク飽和に関しては飽和の大きさに依存され,必ずしも十分な制御性能を得ることができない.そのため本手法単独で制御性能を向上させるには限界がある.
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