Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,ブラインド信号分離と呼ばれている信号分離法を使って,混合信号からもとの信号を分離する問題を取り扱った.この問題に対して,今年度の研究では,2種類の新しいブラインド信号分離法を提案することに成功した. 1つは,周波数領域で行う方法である.従来の方法と異なるところは,混合信号の2次の相関を使うだけで分離が可能になるところである.我々は,提案手法が,実環境において混合信号から元の信号を分離することが必要な問題に適用できる可能性があることを実験で示した. また,もう1つの方法は,混合信号の4次キュムラントを使ってブラインド信号分離を行う方法である.この方法の特徴は,4次の自己相関があっても分離がうまくいくところである.従来のほとんどの方法が,分離するもとの信号はi.i.d.という信号を仮定している.このi.i.d.という信号は自己相関も信号間の相互相関もない信号である.従って,我々が提案した方法は,i.i.d.信号よりも弱い仮定の信号も分離することが可能になる方法である.提案手法は,例えば,通信などで用いることができるようになると考えられる.通信では,データを送信するとき,符号化を行う.また,この後で,バーストエラーをなくすために,符号化したデータの順番の入れ替えを行う.このときの送信信号は,2次の相関はなくなるが3次以上の相関がないと考えることはできない.すなわち,この送信信号はi.i.d.信号と考えることができない.従って,このような信号の混合信号をブラインド信号分離するとき,i.i.d.信号を分離する従来法では,分離ができないが,提案した手法は有効な方法になると考えられる.
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