Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,二年間の研究期間のうちに,海水が直接接触する環境,または塩化物イオンが飛来する環境下において供用される鉄筋コンクリート構造物の,性能劣化過程を数値シミュレーションにより予測する技術的枠組みの開発と,予測システムに組み込む種々のモデルの開発を行った. 予測システムは,かぶりコンクリート中の水分,塩分,酸素移動の解析,コンクリート中の鉄筋の腐食過程の解析,鉄筋が腐食した鉄筋コンクリート構造の耐荷性状の解析を行う部分より成り,それぞれの部分には,研究の進展に応じて最新のモデルが導入できるようになっている.本研究期間中には,以下の改良を加えた. 1)水分,塩分,酸素移動に対し,コンクリートの細孔構造に基づく,熱力学的に整合の取れた物理モデルを開発し,導入した.不飽和,部分飽和,乾湿繰返し条件下に対し,汎用的に適用できるものである.ただし,曲げひび割れを精密に考慮することについては,研究途上である. 2)コンクリート中の鉄筋の腐食モデルについては,腐食反応の電気化学に立脚したモデルの開発に取り組んだ.まだ改良の余地はあるものの,酸素拡散律速と濃度分極とが現象に立脚して考慮できるものとなっている. 3)鉄筋の腐食した鉄筋コンクリートの力学性状については,系統的な室内実験を行い,有益な知見を蓄積した.現行で組み込まれているモデルがほぼ妥当であることを確認するとともに,さらに信頼性の高いモデルを将来開発するに十分な情報を得た. 4)連続繊維シートを構造物表面に接着する補修補強工法の効果を合理的に表せるようにした.物質遮蔽効果と引張補強材としての効果を,予測システムの該当部分に導入した. 以上を組み込んだ数値解析プログラムを用いて,種々の環境条件,構造寸法,使用材料,補修補強工法を想定してコンクリート構造物の寿命予測(力学性能の経時変化)を行った.
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