Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,スケジュールコストの増大や業務効率の低下の損失を差し引いても,混雑緩和効果が大きい交通需要管理施策を見いだすための経済的評価の方法論を構築するとともに,各個人への正負の影響から交通行動の変化が進むかどうかを分析する方法論を確立することを目的としている. 昨年度,鉄道通勤交通を対象に通勤者,鉄道事業者,一般企業の行動を整理した結果,連続的に取った時間軸上での簡単な関数により効用,運行費用及び生産額が近似できることがわかった.また始業時刻(終業時刻)が1時点に固定されたもとで均衡通勤パターンと社会的厚生水準を求める均衡モデルを構築した. 本年度は,以上を踏まえ,交通需要管理施策の目的を最大限実現する時間帯別の交通量を最適化問題として求解し,施策の強度,経済的効果の評価,主体別の便益変化を明らかにする研究を実施した. 1.始業時刻分割下での出発時刻分布の算出と評価 一般企業が始業時刻を複数個に分割した時差出勤下での出発時刻選択行動を考察した.他の企業が選択した始業時刻と合わせるほど業務効率が高いという時間的集積の経済性が存在する場合,通勤者は,混雑緩和の正の効果と,スケジュールコストの増加および集積の経済性が失われ賃金が低下する負の効果を勘案して行動する.この場合,複数の均衡解が存在し,効率性の低い均衡解にロックインされる可能性があるために,行政主体による誘導が必要となることがわかった. 2.最適な始業時刻分布とその実現方法の分析 最適制御モデルにより,社会的厚生水準を最大化する出発時刻分布,始業時刻分布を求解し,最適なパターンを実現するために必要となるフレックスパターンの導入割合を示すとともに,実現を可能にするための時刻別混雑料金を計算した.
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