Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究は,企業が通信と対面型コミュニケーション(交通)を介して行う地域間情報交流活動を定量的に評価することを目的として,情報交流手段の分担メカニズムについて考察を行った. 既往の研究から,対面型コミュニケーションは通信と比較して,創造的,課題対応的な情報交流に優れていること,および情報交流の複雑性に応じて情報交流手段が使い分けられていることが明らかとなった.しかし情報交流の複雑性を,伝達情報量の多さに比例する通信時間等で表現すると,対面型コミュニケーションの利点が捨象される.そこで通信と交通を介して行われる知識集約的な情報交流は,交流を行う2地域の認識のばらつきを調整し,両者の一致点を見出す作業であるとの仮定に基づいて,その複雑性が課題の達成に必要な情報交流回数で表現できることを導いた.以上の考察に基づき,情報交流の複雑性がODペアごとに異なることを考慮し,通信と交通の地域間価格に応じた情報交流量分担モデルを定式化した.なおモデルの価格弾力性は,ODペアごとに異なる. 提案したモデルを都道府県間交流データに適用した.モデルパラメータ推定値から,1)交通価格が低下すると情報交流量全体が誘発されると同時に通信から交通への代替が起こること,および,2)通信価格が低下すると,情報交流量は変化せず,交通から通信への代替が起こることが明らかとなった.モデルの妥当性の検証のため,空間相互作用の分析に標準的に用いられる重力モデルとの比較を行ったところ,重力モデルと同等の高い適合度を示し,妥当性が示された. 交通価格が低下した場合の通信量の増減は自明ではないため,シミュレーション分析を行った.その結果全てのODペアにおいて,交通価格の低下による通信から交通への代替効果よりも,情報交流量の誘発効果が大きく,通信量は増加するという結果が得られた.
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