吸収エネルギ分布を性能指標とする建築構造物の耐震性能設計
Project/Area Number |
11750505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
原田 幸博 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10272791)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 鋼構造 / 耐震設計 / 性能設計 / エネルギー法 / 損傷分布 / 建築構造物 / 吸収エネルギ |
Research Abstract |
本研究では、地震動によるエネルギ入力率がせん断型多質点系及び多層平面剛接骨組モデルの損傷集中特性にいかなる影響を及ぼすのかを、インパルス地動、実地震動、模擬地震動の三種類の外力を用いた応答解析を行って検証した。 せん断型多質点系の応答結果からは、以下の結論が得られた。(1)地震動による瞬間的なエネルギ入力量が大きくなるほど、せん断型多質点系の下層部分に損傷が生じやすい。(2)せん断型多質点系の真の最適降伏せん断力係数分布は、地震動による瞬間的なエネルギ入力量の影響を受ける。(3)地震動による瞬間的なエネルギ入力量が大きくなるほど、損傷集中の発生が各層間の降伏強度のギャップに対し鈍感になる(損傷集中指数が小さくなる)。 多層平面剛接骨組の応答結果からは、以下の結論が得られた。(1)梁崩壊型骨組における損傷分布は、柱崩壊型骨組のそれよりも瞬間的なエネルギ入力の大きさの影響を受けにくい。(2)多質点せん断系での「瞬間的なエネルギ入力量が大きいほど多層骨組の下層部に損傷が集中する」という現象は、多層平面剛接骨組モデルでは必ずしも確認できなかった。(3)瞬間的なエネルギ入力量に着目して、既往の研究での多層骨組の地震応答解析結果と本研究でのそれを比較したが、外力や解析モデルの設定のわずかな違いにより、必ずしも共通する知見には至らなかった。このことより、地震波の瞬間的エネルギ入力量の違いよりも骨組の強度分布などの骨組の設計パラメータの違いの方が骨組の損傷分布に与える影響が大きいのではないかと推測できる。 以上により、既往の地震動による地震応答解析結果に基づいて構築されたエネルギ理論による耐震設計手法における損傷分布の評価手法が、瞬間的なエネルギー入力の大小に関わらず適用可能であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)