Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
昨年度に引き続き数値シミュレーションを行い,騒音源が移動する場合の能動制御システムの振る舞いについて更に考察を深めた。結果によれば,一般的に収束が速いと言われているRLSなどのアルゴリズムは変動の大きな騒音信号に対して不利であることが明らかになった。これはRLSアルゴリズムが,原理的に適応係数の更新において全時系列データを用いるため,音源の移動による大きな変動に対応できないためであると考えられる。一方LMS系のアルゴリズムは基本的に瞬時データをもとに係数更新を行うため,変動に対して比較的ロバストに動作する。 これらの知見をもとに,実時間で動作するハードウェアを導入して実験的な検討も行った。無響室内に音源の移動装置を設置し,スピーカからバイクの排気音を放射しながら連続的に移動させ,4チャンネル能動制御システムにおける制御効果を観測した。実験において用いたアルゴリズムはLMS系であり,シミュレーションと同様に,主要な成分である100Hz付近では5〜10dBを超える有効な制御効果が確認できた。また実際のシステム構築においては,騒音源信号を検知するノイズセンサーの数,配置及びサンプリング周波数が重要なパラメータである。これらのパラメータを変化させて,比較考察も行った。結果から,ノイズセンサーの数には最適な値が存在する可能性が示された。同時にノイズセンサーの配置が重要であり,個々の事例に応じて実験的に検証する必要があること,また出来るだけ高いサンプリング周波数で制御を行う必要性が示された。 本研究で得られた知見は,今後道路交通騒音の制御に能動的な手法を導入する際に,具体的なシステム設計の指針を与えうるものである。
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