沖縄八重山列島及び台湾蘭嶼島・緑島における伝統的住居に関する比較研究
Project/Area Number |
11750546
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
|
Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 真奈美 東京家政学院大学, 人文学部・工芸文化学科, 助手 (30301518)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 沖縄八重山列島 / 台湾蘭嶼島 / 台湾緑島 / 台湾原住民 / ヤミ族 / 伝統的住居 / 居住様式 / 与那国島 / 蘭嶼島 / 原住民 / 住意識 / 親柱 |
Research Abstract |
沖縄八重山列島及び台湾蘭峡島台湾・緑島の伝統的住居の基礎的資料収集について、琉球大学鈴木教授、九州大学竹下教授、前九州大学青木名誉教授、自治体、団体及び台湾逢甲大学郭副教授、台湾山地文化園区陳局長等の協力を得て各種資料収集を行ない検討及びデータベース化を行った結果、以下のような成果が得られた。 第1は、資料収集を目的としていた台湾「緑島」について、現在はヤミ族等の原住民がほとんど居住していないこと、また、伝統的民家が現存していないことが判明した。また、文献資料についても、十分なデータが得られなかった。 第2は、研究目的で与那国島の伝統的民家と台湾蘭峡島及び緑島の伝統的民家の台湾原住民(ヤミ族)の住意識には「『表と裏』、『ハレとケ』の意識があるのではないか」との仮定を行っているが、ヤミ族の場合は「主屋と前庭(涼み台)」、主屋については「前廊、前室、後室、後廊」と配置されており、住人の使い方からみても『前と後(奥)』の意識で理解した方がよいのではないかと考えられる。これは、方位の異なる集落についても同様の規則性があることが窺え、前面が海で背面が山という条件の中で意識される部族特有のものであると推察できる。 第3は、坂本磐雄博士の「主屋の向きの方位と右勝手・左勝手」について、沖縄関係の論考が行われているが、この関連性がヤミ族の住家においても左勝手が多く存在し、本島が坂本がいう「左勝手標準地域」であること。 第4は、台湾原住民(パイワン・ルカイ・ヤミ族)の伝統的民家における「親柱」とヤミ族「親柱」が同意であること(足立崇、西垣安比古『台湾ヤミ族における親柱tomokと「住まう」こと』日本建築学会計画系論文報告集第522号他)。 第5は、ヤミ族の住家は夏と冬の季節的条件を考慮して建築されていることである。その要因として冬期は堀込んだ住家、夏期は涼み台(現在は夏の住居)を使用し、高床であることが挙げられる。また、集落が立地する標高、湿度、風、材料等の自然条件が大きな影響を及ぼしていることが分かった。 研究の過程において、台湾原住民の社会組織の影響と思われる、男女間で異なる空間を利用する形態があることが分かった。東南アジアに居住する原住民族のなかには、男女間で住み分けを行ったり、使用する空間は同じでも時間軸に沿って使い分けを行っている部族があることも判明した。今後の研究の展開として、このような性別、年齢などによって利用する場所や時間が異なる事例の収集と分析を行い、「住まいかた」についてさらなる検討を行いたいと考えている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)