Project/Area Number |
11750555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
井上 えり子 京都女子大学短期大学部, 講師 (70226736)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 中国 / 少数民族 / 羌 / 道孚チベット族 / 住居 / 空間構成 / 住文化 / ナシ族 / モソ人 |
Research Abstract |
四川省道孚地区において道孚チベット族の住居の調査をおこない、かつ、これまで調査をおこなった古羌系民族(羌族・木雅チベット族・納西族)と比較分析した。道孚チベット族の住居の調査期間は2000年8月3日〜8月22日である。 道孚チベット族の住居について、分析結果をまとめると以下の通りである。道孚チベット族の住居は、解放(1949年)以前は、平屋も少なくなく、居室は主室1室程度の住居が一般的であった。居室は2×2間の正方形で、食事、団欒、親戚・友人の接客、就寝、炊事等がおこなわれる場であった。カマドが北壁に接して設けられ、カマドにはカマドの神が宿る。一方、かつては主室東北角には火の神を祀る神棚も設けられていた。つまり、カマドの神を頂点とする空間秩序と、火の神を頂点とする空間秩序が存在することになるが、これは2種の空間概念(住文化)が混ざり合った結果によるものと推測される。そして、中心柱の存在や入口の位置、家長(妻)のベッドの位置等を考え合わせると、火の神を頂点とする空間概念のほうが古いと思われる。 これまでに調査をおこなった古羌系民族の住居空間概念を比較してまとめると、共通して以下のような特徴をもつ。(1)主室は正方形で2×2間程度である、(2)主室の中央に柱がある、(3)主室角に神棚があり、対角線上逆角に入口がある、(4)同じ対角線上の神棚と中心柱との間にイロリまたはイロリに代わるものが設けられる、(5)入口から神棚に向かって右側が女、左側が男の領域である。すなわち、これらの特徴が古羌人から受け継がれた空間概念ではないかと考えられる。
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