低速陽電子線を用いた高温熱平衡状態におけるSiの点欠陥挙動解析
Project/Area Number |
11750567
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上殿 明良 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (20213374)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 陽電子 / Si / 格子欠陥 / 熱平衡 / SiC / 欠陥 |
Research Abstract |
序 安価に大口径のSiC基板を製作する手法として,Si基板の炭化が着目されているが,良質なSiC膜を作るための条件が極めて限られていること,また炭化時のSi基板への欠陥導入等が大きな問題となっている.本研究では,低速陽電子を用いて,Si基板の炭化によってカーボン/Si界面近傍に導入される空孔型欠陥を検出し,Siの炭化過程を研究した. 測定方法 Cz-Si基板に室温で蒸着によりカーボン(C)膜を形成した.その後,低速陽電子ビームを用いて,試料温度(室温-1473K)を変化させながら陽電子消滅γ線ドップラー拡がりを測定した.また,1573Kから急冷及び徐冷した試料についても同様の測定を行うと共に,超短パルス低速陽電子ビームにより陽電子寿命測定を行った. 結果 C/Si試料のSパラメーターの陽電子打ち込みエネルギー(E)依存性を試料温度の関数として測定した.298Kでは,E=0-4 keVでSが一定値となった.これは,陽電子がC膜中で消滅しているためである.1173KではE〓5 keV付近でSが上昇するため,C/Si界面に空孔型欠陥が導入されたと判断した.TEMにより,界面にはピラミッド型の空孔(サイズは100nmオーダー)が導入されていることがわかったが,陽電子はむしろ界面近傍の点欠陥を検出していると考えられる.TEM,SIMSの結果も合わせて検討した結果,炭化と同時に,Si基板に空孔型欠陥の集合体が導入されることがわかった.これはSiC形成に伴い導入された歪に起因すると考えられる.
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)