強誘電体セラミックス薄膜の強誘電特性に及ぼすストイキオメトリーの影響の解明
Project/Area Number |
11750582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇谷 尚樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40251623)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ミスト / チタン酸鉛 / LSMCVD / 強誘電体 / 薄膜 / ストイキオメトリー |
Research Abstract |
12年度は代表的な強誘電体としてPbTiO_3を選択し,ストイキオメトリーが強誘電特性に及ぼす影響を検討した。PbTiO_3薄膜は(1)超音波噴霧MOCVD法,(2)N_2O導入MOCVD法,および(3)MOD法の3種類で作製した。(1)超音波噴霧MOCVD法は有機金属原料を溶媒にとかした溶液を超音波で噴霧して気化器に送る方法であり,原理的に組成の制御性に優れていると期待される。しかし,実際には原料の完全な気化,基板上への付着,Pb成分の再蒸発等の影響で厳密なストイキオメトリーの制御は困難であった。(2)ではN_2Oを導入することによりPbTiO_3のストイキオメトリーが定比に近づくことを見いだした。これは強酸化性ガスであるN_2Oの導入により基板の表面が活性化されたか,有機金属原料の分解が促進されたためであると考えられる。一方,(3)では成膜時に気相が関与しないのでストイキオメトリーの制御性がもっとも高い。特に,face-to-face法と呼ばれる膜面どうしを重ね合わせることにより焼成する方法を導入することにより,結晶化時におけるストイキオメトリーのずれを最小限に押さえることができた。(2)および(3)により作製した試料を用いて,リーク特性に対するストイキオメトリーの影響を調べたところ,Pb/Ti=1.00すなわち,定比組成の場合に1×10^<-7>A/cm^2ともっともリークを押さえることができることが明らかになった。一方,組成が定比からずれた場合にはリーク電流が2桁以上大きくなったが,これは格子欠陥の影響が現れたものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)