Project/Area Number |
11750583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Nagaoka University of Technology (2000) Tokyo Institute of Technology (1999) |
Principal Investigator |
末松 久幸 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助教授 (30222045)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 多軸入射収束電子回折 / Y-123 / ホール分布測定 / 広範囲高分解能透過型電子顕微鏡 / マンホールトップ型試料 / エネルギー分散型X線分析 / 高温超伝導銅酸化物 / 収束電子回折 / 透過型電子顕微鏡 / 動力学理論 / 原子位置 / ホール分布 |
Research Abstract |
YBa_2Cu_3O_<7-d>不定比酸化物内のホール分布の評価のために、多軸入射収束電子回折を開発した。まず、原子散乱因子の価数依存性が少ない高散乱角領域を使った、c軸近傍入射の収束電子回折強度を、動力学的理論を元にした数値計算によりフィッティングさせた。それらがよく一致したことより、原子散乱因子、計算手法に誤りがないことを確認した。次に、原子散乱因子の価数依存性が大きい小散乱角領域を使った、a軸近傍入射の収束電子回折強度を、上記の数値計算法によりフィッティングさせた。その結果、CuO_2面に0.2個のホールが入った場合に、実験値と計算値があうことがわかった。これは滴定法により得られた酸素量から予想されるホール量と近いものとなった。 広範囲高分解能透過型電子顕微鏡(LA-HRTEM)におけるエネルギー分散型X線分析結果の定量性について評価した。ZrO_2粒子を包埋したK-Al-Si-Sn-Oセラミックスから、収束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、GaイオンビームによりLA-HRTEM観察可能な試料を作製した。試料最上面近くにLA-HRTEM観察部分を残した試料(マンホールトップ型)の場合、それ以外の試料で検出されたGaが検出されなかった。これは入射GaがLA-HRTEM観察部分に残っておらず、それ以外の部分に堆積していることを示唆した。さらにZrO_2/SiO_2界面近傍の分析結果は、界面から200nm以上離れればバルク試料のそれと同じになることから、この領域ではイオンビーム加工によるミキシングの影響は無視できることがわかった。こうしたことから、マンホールトップ型試料の作製により、試料の組成を正確に測定できることが明らかとなった。 このLA-HRTEM法を用いて、1)(Hg,Pb)(Ba,Sr)_2Ca_2Cu_3O_y,および2)Y-Ba-Cu-O超伝導体の微構造を観察し、それと臨界電流密度のピーク効果発現機構について考察した。1)ではHgとPbの組成が、30nm周期で変調していること2)では双晶境界間隔が狭い試料では、境界近傍に酸素欠損領域があることを見いだした。このような微構造を持つ試料では、77K,1-3Tでの臨界電流密度が高いことから、これらの領域の臨界温度が低下したことによる量子化磁束ピン止めがピーク効果の原因であることが示唆された。
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