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ジルコニアの導電率における局所格子歪みの役割と弾性・擬弾性及び誘電特性との関係

Research Project

Project/Area Number 11750586
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Inorganic materials/Physical properties
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

近藤 淳哉  岐阜大学, 工学部, 助手 (30301211)

Project Period (FY) 1999 – 2000
Project Status Completed (Fiscal Year 2000)
Budget Amount *help
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Keywords安定化ジルコニア / 導電率 / 単結晶 / 内部摩擦 / 誘電緩和 / 固体電解質 / 複素誘電率 / 圧縮応力 / 方位依存性 / インピーダンス スペクトロスコピー
Research Abstract

10mol%Y2O3安定化ZrO2単結晶(完全安定化ジルコニア:蛍石型構造(立方晶))について、513K〜1773Kの幅広い範囲にわたって、交流インピーダンス法及び直流4端子法により、導電率の測定を行った。また、513K〜623Kの範囲で複素誘電率の測定を行った。平成11年度の報告と同様に、すべての温度域において、導電率には異方性が見られた。特に550K以下になると異方性は顕著であり、513Kにおいては方位により倍近くも導電率が異なる。複素インピーダンス測定により複素誘電率を計算した結果、どの温度においても複素誘電率の実部は方位依存性を示さなかったが、虚部(誘電損失)は低温において顕著な方位依存性を示した。例えば、方位による違いは513Kにおいて、1MHzで実部は3%以下なのに対して、虚部は15%前後であった。複素誘電率も導電率同様、2階のテンソルであるから、立方晶の場合は群論の教えるところにより方位依存性を持たないはずである。この原因を調べるために昨年度測定した内部摩擦の統計力学的な解析(緩和時間の連続分布関数を考慮に入れたピーク解析)を行った。その結果内部摩擦ピークは2種類の点欠陥対による2つのピークによるものであり、その一つは三方対称性を持つ酸素イオン空孔とドーパントカチオン(Y3+)の欠陥対によるものであることが分かった。したがって、導電率と誘電損失に見られた異方性は、これらの物質テンソルが酸素イオン空孔の移動に起因する移動現象をあらわすものであるためであり、誘電率の実部に異方性がなかったのはこの物質テンソルが結晶の平衡状態を熱力学で表したものであるからである。つまり、酸素イオン空孔による移動現象は、母格子の対称性である立方晶を反映したものではなく、酸素イオン空孔欠陥対の対称性である三方対称性を反映したものになる。物質テンソルが母格子対称性とは異なる対称性を示すという現象はイオン伝導体に特有の現象であり、これまで報告されたことはなく、本研究によりはじめて得られた重要な知見であるといえる。
また本研究では、2つ示強変数場を同時に作用させたとき、それぞれのテンソル間の一次の線形関係からの逸脱(一軸圧縮応力を作用させたときに、同時に交流電場を作用させ、複素誘電率を測定する。一軸圧縮応力を作用させたときに、同時に直流電場を作用させ、導電率を測定する。)を定量的に調べ、それらの関係をテンソル量として定式化したが、紙面の都合上これらについては割愛させて頂きます。

Report

(2 results)
  • 2000 Annual Research Report
  • 1999 Annual Research Report

URL: 

Published: 2000-04-01   Modified: 2016-04-21  

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