Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
人工材料を生体組織に埋入すると,生体はこれを異物と認識して線維性被膜で覆い周囲の組織から隔離しようとする。ところがセラミックスの中には,体液と反応してその表面に骨類似のアパタイト層を形成することにより,線維性被膜の介在なしに短期間で生きている骨組織と結合するものがある。しかしそれら生体活性なセラミックスは,大腿骨などの大きな荷重の架かる部位や柔軟な組織を置換するには,十分な機械的特性を有していない。本研究では,無機-有機ナノ複合体を用いて生体活性と種々の力学的機能を併せ示す新規生体材料を設計する基礎的指針の確立を目指した。即ち医用高分子として用いられている親水性のポリマーを与える2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA,CH_2=C(CH_3)COO(CH_2)_2OH)と3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPS,CH_2=C(CH_3)COO(CH_2)_3Si(OCH_3)_3)を用いて無機-有機ナノ複合体を合成し,その微構造とアパタイト形成能の関係を調べ,無機-有機ナノ複合体の生体活性を制御する因子を検討した。試料の生体活性については,擬似体液による生体外(in vitro)実験により評価した。 HEMAとMPSのモノマーを出発原料に用いて種々の配合比で無機-有機ナノ複合体を合成し,バルク体が容易に得られる条件を探索した。溶媒をエタノールとし,重合開始剤に過酸化ベンゾイルを用いて75℃で3時間の保持により,ブレンドポリマーを得,次いでこれに塩化カルシウムのエタノール溶液を加えた後,室温で乾燥させた。その結果,MPSを10mol%以下で含有すれば,生体活性な無機-有機ナノ複合体のバルク体が得られることが明らかとなった。MPSは分子間の架橋と同時に,アパタイト核の形成サイトを与えると考えられた。
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