Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,ITインフラストラクチャーの基盤技術であるシリコンデバイスプロセスにおいて重要な位置を占める液相系(ウェット)デバイスプロセスにおいて,特にシリコン表面での化学反応に関して,液相中の反応種の状態やシリコン表面の電気化学的および物理的・化学的性質の原子レベルからのキャラクタライゼーションを行い,これらの関与する反応を素過程レベルで解明すると伴に,得られた知見を基に新規デバイスプロセス設計の方法論を確立することを目的とした. 昨年度の研究により,シリコンウェハ表面に存在するナノ欠陥部位において,局所的に電位が卑(カソード側)にシフトしていることを見出し,このようなサイトが金属の還元析出反応に対し高い活性を有しているということを明らかとした.今年度はこれに基づき,種々のレベルの欠陥における電位シフトの状態について検討し,両者の相関に対する系統的知見を得た. さらに,固液界面反応に大きく関わる溶存酸素の影響について,超純水中における極微量金属イオン種(Cu,Fe)のウェハ表面への析出反応についても詳細な検討を進めた.その結果,ppbレベル以下の極希薄濃度領域において,溶存酸素が存在する場合にはこれら金属種は主にシリコン表面酸化膜中に酸化物または水酸化物として取り込まれること,また溶存酸素を除去すると,Cuは電気化学的還元反応によりメタリックな状態でウェハ表面に極微小粒状に析出するのに対し,Feはそのような析出状態は示さないことを見出した.そして,このような差異の原因が,CuとFeの電気化学的酸化還元電位にあることを明らかとした. 以上の結果は,今後要求される超清浄シリコンウェハ表面を実現するためのプロセス反応設計に重要な指針を与えるものである.
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