Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
ニッケル基超合金におけるγ母相の組成であるNi-20Cr単相単結晶を,改良型のブリッジマン法により作成し,その高温クリープ挙動の応力依存性を3つの極点方位について調査した。なお,クリープ試験は,フルサイズのつば付き試験片を用いており,引張り条件下で行った。本年度までに得られた成果を以下に記す。 結晶方位が[001]および[-111]の場合,低応力において,遷移クリープ域が拡大する。すなわち,高応力では,遷移クリープ域におけるクリープ速度の減少比は小さい。これに対し,低応力では,遷移クリープ域におけるクリープ速度の減少比が大きくなる。低応力における遷移域の拡大のため,[001]および[-111]方位における最小クリープ速度の応力指数は,低応力側で10となる。この値は,高応力側の5に比べ非常に大きい。低応力における遷移域の拡大は,加速クリープの原因である動的再結晶粒の形成が,低応力においては遅滞するために生じる。結晶方位が[011]の場合,低応力における遷移域の拡大は生じない。これは,[011]方位では,低応力においても動的再結晶粒の形成が容易に生じるためである。 いずれの極点方位においても,低応力では,クリープの大半は遷移域となる(遷移域支配型)。[011]方位では,高応力においても,遷移域支配型のクリープ曲線を示す。これに対し,[001]および[-111]方位では,高応力において,クリープの大半は加速域となる(加速域支配型)。以上の結果から,(1)単結晶の特長は低応力で使用することにより顕著となること,(2)低応力で使用する場合,加速クリープの原因となる動的再結晶粒の形成が最も生じ難い[001]方位が最良の結晶方位であることが明らかとなった。
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