体心立方晶構造を有するマグネシウム-ニッケル合金系の設計と水素化特性の高性能化
Project/Area Number |
11750614
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
折茂 慎一 広島大学, 総合科学部, 助手 (40284129)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 水素 / マグネシウム / ニッケル / 立方晶構造 / 短距離秩序 / ラーベス相構造 / 原子間距離 / 水素貯蔵物質 / 非晶質 / 立方晶 / ラーベス相 / 希土類 / 規則配置 |
Research Abstract |
1.(Mg_<1-x>A_x)(Ni_<1-y>B_y)における立方晶構造の形成過程と水素化特性との相関に関する新たな知見を得た。 (1)ニッケルとの親和性によって様々な構造形態を形成することが見出されたA元素のうち、「ジルコニウム」に注目して、その置換量(x)と構造形態および全水素量に関する詳細な研究を進めた。その結果、置換量(x)に依存して平均原子間距離は連続的に増大するものの、全水素量は不連続に変化するという特異性が見出された。この現象は、x<0.3では立方晶構造様の短距離秩序が発達するが、x>0.5ではホウ化クロムに準じた短距離秩序が発達するためであると推測された。 (2)(1)の特異性は、B元素の種類とその置換量(y)には大きくは依存しないことが示唆された。 2.上述1.で得られた成果をもとにして、その関連物質である立方晶ラーベス相構造を有した新たな合金系(Mg_<1-x>C_x)Ni_Lを設計し、その水素化特性を高性能化することに成功した。 (1)C元素として希土類元素(特に「イットリウム」)を選択した場合は、「マグネシウム」と「イットリウム」が規則配置した立方晶構造を有した新規ラーベス相構造が発達し、脱水素化温度の低下に加えて、プラトー領域の平坦性も保たれることを見出した。 (2)C元素として「カルシウム」を選択した場合も同様な立方晶構造を有したラーベス相構造が得られ、平均原子間距離の増大にともない全水素量が増大することを見出した。 (3)C元素として「イットリウム」と「カルシウム」の両元素を選択してその比率を制御した場合、特定の組成でナノメートル級の相分離が生じ、この相分離にともなう特有の粒界構造の発達により全水素量がさらに増大することも発見した。 以上の研究成果からは、マグネシウム-ニッケル合金系の水素貯蔵物質としての機能性を飛躍的に向上させうる重要な知見が見出されており、これらの知見は、今後当該合金系が実用レベルでの開発段階に移行した場合にも不可欠な開発指針になるものと確信する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)