Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,前年度の結果により,玄米貯蔵雰囲気中VOC(揮発性有機化合物)を低減することで,ある程度品質低下を抑制できることがわかったが,実際の温度条件よりも高温かつ短期間で行ったため,統計的に有意な差であるとは必ずしも言えなかった。そこで,本年度は活性炭充填層により,ほぼ完全にVOCを除去し,さらに品質低下事故が起きやすいとされる時期(6〜8月)に,一般環境雰囲気で長期間貯蔵することにより,再度検討を行った。その結果,開始後3ヶ月以降になって,脂肪酸度,テンシプレッサによるバランス度,RVA(rapid visco analyzer)による糊化温度・コンシステンシにおいて,VOC除去を行った場合が通気のみおよび通気を行わないものに比べて,各指標が明らかに良くなっていることが示された。このことから,米の化学成分・物理的特性の両面から,VOC除去により常温で貯蔵玄米の品質低下を抑制できることを確認した。 次に,米から発生するVOCの成分の中で,どの成分が品質低下に寄与しているのかを明らかにするため,玄米を充填した密閉容器(0.45L)に特定のVOC(トルエン,アセトアルデヒド,エタノール)を一定量添加して,玄米の品質低下を調べた。その結果,添加量が少ない場合,無添加<トルエン<エタノール<アセトアルデヒドの順で,脂肪酸度が高くなっており,各成分間で差が見られるが,添加量が多くなるにつれて,成分間の差が見られなくなった。これは,VOCの添加量が少ない場合でも,容器内のVOC濃度は数ppmと見積られることから,既に品質低下を起こす濃度しては極めて高い条件で行っていた可能性が考えられる。
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