相転換プロセス、熱分解プロセスの制御による高機能性気体分離用炭素膜の作製
Project/Area Number |
11750666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧 泰輔 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10293987)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 炭素膜 / ガス分離膜 / ポリイミド / 相分離 / 熱分解 / 分子ふるい炭素 |
Research Abstract |
種々のジカルボン酸とジアミンからポリアミック酸を合成した後,この溶液をガラス板上にキャストして炭素膜の前駆体となるポリアミック酸膜を作製し,これを300℃まで加熱して構造既知のポリイミド膜を作製した.主に膜のミクロ孔に及ぼす膜作製条件の影響を検討するため,製膜はゲル化により行い,マクロポアが存在しない緻密膜を得た.この緻密なポリイミド膜を窒素雰囲気下で炭化し炭素膜を作製した. 得られた炭素膜について,研究室で製作した定容式吸着量測定装置により,0.3〜0.5Åの範囲で細孔径分布を測定した.作製した炭素膜は全て,透過ガスの分子径の増加に伴い細孔容積が減少する分子ふるい性を示した.また,炭化温度の影響を検討したところ,500℃で炭化した膜は細孔がほとんど存在しなかった.しかし,炭化温度の増加とともに細孔容積が増加し,700℃で炭化した膜については,細孔径0.3〜0.43Åの範囲の細孔が発達した.また,さらに炭化温度を上げ,800℃で炭化した膜は総細孔容積は700℃のものと変化ないものの細孔径分布は主に0.3〜0.4Åの範囲に限られ分布がよりシャープになった.これらの結果は以前検討したガスの透過性の挙動と一致しており,炭化温度500℃から700℃までにおいてポリイミドが分解し,ガスやタールとなって揮発することによりミクロポアが生成し,さらに炭化温度を上げた場合には炭素膜のグラファイト構造が発達してミクロポアとなるグラファイト層間が収縮すると考えられた.また,ポリイミド前駆耐の種類により,炭素膜の細孔径分布は変化し,この結果もガス透過特性と同様の傾向が見られた. 空気分離膜への適用を検討するため,酸素と窒素の透過特性を検討したところ,本研究において作製した膜は窒素に対する酸素の選択性は6〜80,透過係数は50Barrer以上とこれまで報告されている炭素膜と比較して非常に大きな値が得られた.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)