Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)が作る逆ミセルヘ種々のアルキルアミンを添加して水の抽出への影響を明らかにした.長鎖アミンを添加した系は,水相のpHを低下させると逆ミセルへの水の抽出が急激に低下し,逆ミセルが形成しなくなった.水の抽出が低下するpHは,長鎖アミンのpKaと対応しており,アンモニウムイオンの生成とアンモニウムイオンとAOTとのイオン対形成の反応平衡を考慮したモデルにより水のpH変化による抽出挙動を説明できた.これにより長鎖アルキルアミンを添加したAOT逆ミセル系の設計が可能となった. リゾチームをモデルタンパク質としてジオクチルアミン(DOA)とAOTを混合した逆ミセル系における正抽出および逆抽出挙動を詳細に検討した.特に逆抽出において,DOA,AOTおよびリゾチームの濃度を変化させて実験を行なった.タンパク質の逆ミセルからの逆抽出過程は,逆ミセルの破壊とタンパク質と直接相互作用しているAOTの除去の2段階で進行していることが示唆された.これらの結果に基づき,正抽出槽と逆抽出槽の間を有機相を循環させて連続抽出を行なった.正抽出速度に比べ逆抽出速度は極端に遅く,逆抽出槽において有機相を分散させて接触面積を増加させることにより連続抽出が可能であることを明らかにした.逆抽出条件での界面張力が大きく有機相を逆抽出槽に分散させても容易に相分離できることが明らかとなった. AOT逆ミセル抽出系において水溶性アミンやアミノ酸を水相に添加すると,pHにより水の抽出挙動が大きく変化した.pHを低下させると親水性の高い化合物の場合は水の抽出量は増加し,親水性の低い化合物の場合は水の抽出量は減少した.添加物質のpKaと対応して水の抽出が変化するpHが変わり,添加化合物とAOTとの静電相互作用により逆ミセルの構造が大きく変化することが分かった.
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