Project/Area Number |
11750671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
庄野 厚 東京理科大学, 工学部, 講師 (20235716)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 抽出平衡 / 有機リン酸 / 赤外吸収スペクトル / 逆ミセル / 小角X線散乱 |
Research Abstract |
本年度は、Di(2-ethylhexyl)phosphoric acid(以下、D2EHPAあるいはHRと略す)を用いたナトリウムの抽出挙動について、高ローディング条件における錯体形成をFT-IRを用いて検討した。D2EHPA/n-heptane系試料のFT-IR吸収スペクトルは、950〜1150cm^<-1>にD2EHPAのリン酸基に起因する吸収バンドが測定された。この吸収バンドのデータのデコンボリューションと二次微分による解析からピーク分離並びに帰属を行い、1002〜1004cm^<-1>付近に現れるピークがP-O-H伸縮振動によるものであることがわかった。このピーク面積は有機相中のD2EHPA濃度に比例することから有機相中の遊離D2EHPA濃度を決定することができると考えられる。 そこで、D2EHPA濃度を0.05mol/dm^3で一定とし様々なpH条件で抽出した試料についてFT-IR測定を行い、遊離D2EHPA濃度を決定した。これまでのナトリウムとD2EHPAの抽出平衡の解析から低ローディング条件においては、(NaR)(HR)_3、(NaR)_2(HR)_2という形の遊離D2EHPAを含む錯体が形成していることが明らかになっている。高ローディング領域ではさらに遊離D2EHPAの水素イオンとナトリウムイオンの交換が進む、すなわち(NaR)_3(HR)を経て(NaR)_4になると考えた。この仮定に従い、有機相中のナトリウムととなる調整した強度が強くなることから有機相全ナトリウム濃度、錯体中の遊離D2EHPAを含む全D2EHPA濃度、低ローディング領域における錯体の抽出平衡から(NaR)_3(HR)の抽出平衡定数を算出した。得られた値は、抽出率が0.2から0.5の範囲でほぼ一定であった。さらにこの結果から(NaR)_4に関する抽出平衡定数を決定した。得られた平衡定数から算出した抽出曲線がほぼ実測値と一致したことから、提案したモデルは妥当なものと考えられる。今後、抽出剤濃度などの諸条件を変えた測定によるデータの蓄積を行い、モデルや抽出平衡定数の妥当性についてさらに検討する必要があると考える。
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