Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
C_<60>の一電子酸化電位は比較的高く、還元に比べてその酸化は極めて困難である。近年、パルスラジオリシスや光増感剤を用いて発生させた、強い酸化力を有する芳香族ラジカルカチオンによるC_<60>の電子移動酸化が試みられ、C_<60>^+の過渡的な発生に成功しているが、フラーレン誘導体、特に官能基の種類や付加位置の異なる異性体のラジカルカチオンの発生やそれら異性体の分光特性の比較を行った例はこれまで無かった。最近になって超強酸を用い、初めてフラーレンカチオン種の生成と同定が行われるに至っている。(Reed et al.,Science2000,289,101;Takeuchi et al.J.Am.Chem.Soc.1999,121,4298) 一方、本研究では、p-ベンゾキノン類は比較的弱い電子受容体であるが、ベンゾニトリル中^3C_<60>^*を電子供与体とし、p-ベンゾキノン類(p-ベンゾキノン,p-クロラニル)を電子受容体とする光電子移動反応は、そのままでは全く進行しないが、この系にスカンジウムトリフラートを添加するとSc^<3+>が電子移動の結果生成するセミキノンラジカルアニオンと錯形成することでp-ベンゾキノン類の還元電位が上昇して電子受容性が増大し、C_<60>^+が効率良く生成するようになることを見いだした。このようなラジカルアニオン種と配位結合形成能を有する金属イオンの選択についてはスーパーオキシドアニオンとの錯体形成についての申請者の有するノウハウを利用した。(J.Am.Chem.Soc.1999,121,1605)
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