Project/Area Number |
11750721
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 治 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室第1グループ, 研究員 (80270693)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フォトニックバンドギャップ結晶 / スピロピラン / メロシアニン / 異性化 / J-会合体 / コロイド結晶 / 相転移 / 光応答性 / マラカイトグリーン |
Research Abstract |
屈折率制御によるダイナミックフォトニックバンドギャップ結晶を構築するためには、外場により屈折率が大きく変化する材料が必要である。これまでは液晶分子が注目され、多くの研究が行われてきた。しかし、バンドギャップの完全なスイッチングは未だ成功していなかった。今回我々はJ-会合体によるバンドギャップの制御を提案し、屈折率の制御による完全なバンドギャップの制御に成功した。ダイナミックフォトニック結晶はコロイド結晶に色素を蒸着することによって作製した。用いた色素は固体状でJ-会合体の形成できるスピロ化合物である。光を照射するとスピロピランがメロシアニンに異性化する。また、熱処理によってJ-会合体を形成する。光照射によるバンドギャップの変化は反射スペクトルを用いて測定した。35℃で400nm以下の紫外光を照射するとサンプルの反射強度が増強しながらピークの位置が725nmから連続的に762nmに移動した。これは、フォトニックバンドギャップが光によって制御できたことを示している。特に、762nmの波長では光照射前後のピークの重なりが全くない。これは、バンドギャップを光で完全にスイッチングできたことを示している。また、この変化は低温で増強することができることがわかった。すなわち、-150℃に冷却すると反射ピークの位置が767nmに移動した。すべての変化は加熱処理によって元に戻り、可逆的に変化した。このバンドギャップの変化は光照射によるJ会合体の屈折率の変化によるものである。実際に、色素の光照射前後の吸収スペクトルを基づいてKramers-Kronig法により屈折率の変化を換算すると、626nmで屈折率が3.0にもすることがわかった。今後、精密な分子設計を行うことによりより、さらに大きな変化を示すダイナミックフォトニックバンドギャップ結晶の構築が可能であると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)