酵素モデルを指向したジペプチド包接反応場の動的挙動に関する研究
Project/Area Number |
11750733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
赤染 元浩 千葉大, 工学部, 講師 (10261934)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ジベプチド / 包接現象 / 酵素モデル / 分子認識 / 結晶工学 / 動的挙動 |
Research Abstract |
酵素モデルとして単純なジペプチドに注目し、結晶性ジペプチドが二次元シート構造と側鎖による支柱(ピラー)で形成する不斉な包接空孔の動的挙動に関して研究を行い、以下の知見からジペブチドが新たな反応場として利用できることを確立した。 1.非天然型ジペプチドの包接と構造変化: スルホキシドをゲスト分子として用い、フェニルグリシンジペプチドの包接にともなう構造変化を単結晶X線構造解析により調ベ、ゲスト分子の立体化学を決める「鍵と鍵穴」の関係を明らかにし、論文として公表した。 2.基質の解離に伴う包接結晶の動的挙動: 熱重量分析から、ジペプチド包接結晶の基質解離の熱過程を調べた。ゲストを単純なエーテルとし、立体化学の異なるラセミ体と光学活性体ジペプチドで比較し、ラセミ体が強固にゲストを補足するという立体化学と安定性の関係を知る基礎的なデータを得た。 3.反応場としてのジペプチドヘの包接: 光反応に用いるジペプチドを検討し、ロイシルアラニンが良好な包接能を有すること、また、スルホキシド包接での不斉認識が発現するアルキル基側鎖のパッキングを結晶構造から明らかにした。その過程で、このペプチドがトルエン中でゲル化することをも見いだした。 4.包接空孔での有機光反応: ロイシルアラニンがシンナムアミドを包接することを見いだした。この包接結晶に紫外光照射を行ったところ、シンナムアミド単独では[2+2]環化付加反応が進行するのに対して、包接空孔内ではトランス-シスの異性化のみ進行することを見いだした。これは、ジペプチド包接空孔での有機光固相反応の最初の例であり、展開が大いに期待できる。また、ジペプチドの不斉環境を利用した不斉誘起反応へ応用する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)