ルテニウム触媒を用いる炭化水素の不斉酸化反応の開発
Project/Area Number |
11750735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小宮 成義 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (00301276)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ルテニウム触媒 / マンガン触媒 / 不斉酸化反応 / 炭化水素 / アルカン / アルコール / ケトン |
Research Abstract |
生体内酸素添加酵素シトクロムP-450の機能を遷移金属触媒でシミュレートすることにより、アルカンの不活性炭素-水素結合を含む種々の基質の酸化反応の開発を行ってきた。低原子価ルテニウム触媒と過酸化物、あるいは、ルテニウム、鉄、銅、あるいはマンガン触媒とアルデヒド-分子状酸素(1気圧)を用いるオキソ金属活性種(M=0)の発生法を見出し、温和な条件でアルカンの酸化反応を効率良く行えることを見いだしている。これらの知見を元に、触媒として光学活性な遷移金属錯体を用いる炭化水素の不斉酸化反応の開発を行った。光学活性ケトンは、有機合成上重要な合成中間体であり、その新規合成法の開発が望まれる。一般に、2級炭素の酸化では光学活性アルコールは得られるが、得られたアルコールは再酸化されることにより、その不斉点が消滅し、光学活性なケトンは得ることができない。そこで、対称面を有する基質の酸化的非対称化を行い、アルカンの光学活性ケトンへの不斉酸化反応を行った。その結果、プロキラル炭素を有する基質の2つの対称な2級炭素をエナンチオ場選択的に酸化することでα位に不斉点を有する光学活性ケトンが得られることを見出した。本反応は医薬品の重要な中間体である光学活性α-ヒドロキシケトンの合成に応用出来ることを明らかにした。興味深いこととして、反応温度とエナンチオ選択性において非線形関係があることを見出した。さらに、ラセミ体のアルカンを酸化することにより、速度論的分割により光学活性ケトンの合成に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)