"フッ素-水素"水素結合を鍵結合部位とする水素結合性超分子複合体の構築と機能化
Project/Area Number |
11750741
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蟹江 澄志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60302767)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 水素結合 / 液晶 / 有機フッ素化合物 / 自己組織化 / スメクチック相 / 物理ゲル / 非共有結合 / イオン-双極子相互作用 / フッ素系液晶材料 |
Research Abstract |
本研究では,フッ素置換ベンゼンの水素結合性に着目し,"フッ素-水素"水素結合あるいは"フッ素-金属"配位結合を鍵結合部位として有する超分子複合体の構築およびその機能化をおこなうことを目的とする. (1)オキシエチレン鎖を有するフッ素系液晶のリチウム塩との複合化による液晶相の熱的安定化 フッ素とリチウム塩との相互作用は,有機合成化学・有機錯体化学などの分野でその存在が提唱されている.研究者は,フッ素とリチウム塩とが相互作用しうる材料のデザイン・合成をおこない,その諸物性変化としてフッ素-リチウム相互作用をとらえることを目的とした.有機分子とリチウム塩との相互作用発現のためには相溶性を高めることが必須である.そこで,研究者は,オキシエチレン鎖を有するフッ素系液晶をデザイン・合成した.得られた化合物にトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを混合し,複合体の液晶相転移挙動を対応するフッ素無置換体と比較したところ,フッ素置換体は無置換体に比べ,スメクチックA相を示す温度範囲が大幅に広がった.^<19>F-NMR測定により,この変化はフッ素-リチウム相互作用によるものであることがわかった. (2)"フッ素-水素"水素結合による物理ゲル化剤の開発 物理ゲルは、溶媒中で分子が水素結合などの非共有結合を介して網目状構造を形成することによって得られる.研究者は,フッ素と水素の水素結合により、あらたな水素結合性物理ゲルの開発をおこなった.オルトフルオロフェノールは強い分子内水素結合を形成する.そこでこの性質に注目し,フルオロフェノール部位を有するターフェニルを合成した.得られた化合物の有機溶媒に対するゲル化能を評価したところ,クロロホルム,ヘキサンなどを効率よくゲル化することがわかった."フッ素-水素"水素結合を機能性材料の開発に用いた最初の例である.温度可変NMR測定により,この水素結合がゲル化における鍵であることが明らかとなった.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)