プロパルギル2核パラジウム錯体と求電子剤との新反応による炭素-炭素結合形成
Project/Area Number |
11750746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生越 専介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30252589)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | パラジウム / 二核錯体 / 求電子反応 / 分子軌道 / 炭素-炭素結合形成 |
Research Abstract |
幾何学的には、直線構造を有するアレニル/プロパルギル配位子は、直線構造を持つ二核金属部位に配位しやすいと期待されるが、実際にはこのような型の錯体は一例も報告されていなかった。この錯体は、対応するη^1-型錯体とPd_2(dba)_3との反応により合成することができる。X線構造解析により明らかとなった構造は、期待していたものに非常に近いものであった。すなわちPd-Pd部分とμ-η^3-プロパルギル配位子は平行であり、ハロゲン原子もまたこれらと同一平面上に存在している。すなわち、この錯体においては、主となる骨格が野球のホームベースの形をしている。また置換基としてPh基を有する錯体は、E-X(E=H,Ac)と反応しμ-η^3-ビニルカルベン錯体を与える。この錯体の生成過程においては求電子体が、μ-η^3-プロパルギル配位子の中心炭素を求電子攻撃しており、これは単核及び他の二核錯体におけるη^3-プロパルギル配位子の反応性(中心炭素への求核攻撃)と逆の反応性でありμ-η^3-プロパルギル二核錯体が新しい型の錯体となりうることを示している。また、これらのη^3-プロパルギル錯体は触媒反応とも深く関係するいくつかの素反応と密接な関係にある。これらの反応性をよりよく理解するために構造最適化したモデル化合物の分子軌道計算を行った。この結果これらの反応が電荷支配ではなく軌道支配で進行することが明らかとなった。これらの結果は反応をさらに発展させるためには非常に重要な知見となるであろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)