ポリアセチレン配位子を有する新規有機金属錯体の合成と機能
Project/Area Number |
11750747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堤 健 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (00304163)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ペンタジイニル / パラジウム錯体 / 白金錯体 / η^1-配位 / η^3-配位 |
Research Abstract |
ポリアセチレン(ポリイニル)配位子を有する有機金属錯体は、その特異な構造及びその構造に起因する性質、反応性から、有機合成反応の触媒活性種や機能性有機金属材料の前駆体として近年注目されている。本研究は、新規ポリアセチレンパラジウム及び白金錯体を合成し、その機能及び構造、反応性を解明することを目的とする。 ペンタジイニル配位子の金属への配位形態は、金属の種類や溶媒、温度および、配位子、金属、ホスフィンの混合比を調整することにより、容易に制御されることが明かとなった。すなわち、反応系中で中性η^1-ペンタジイニル錯体、カチオン性η^3-ペンタジイニル錯体、中性μ-η^3-ペンタジイニル二核パラジウム錯体を、選択的に発生させることができる。ここで得られる錯体は、それぞれ特異な性質、反応性を有する。 特に、カチオン性η^3-ペンタジイニル白金錯体は、求核剤(ROH、HNR_2)に対し反応性が高いことが、明かとなった。しかし、この錯体に更にホスフィンを1当量加えると求核剤との反応性が低い、新たなプラチナシクロブテン錯体が生成した。この錯体はカチオン性η^3-型錯体とは対照的に求電子剤(HCl)と高い反応性を示した。以上の結果から、ペンタジイニル配位子の反応性は、加えるホスフィンの量比を調整することにより、制御可能となる。 一方、ペンタジイニル化合物に白金錯体を2当量反応させたところ、新規中性η^1,η^3-ペンタジイニル二核白金錯体が得られた。この錯体では、ペンタジイニル配位子が2つの白金上にη^1-、η^3-配位しており、二核パラジウム錯体とは異なる配位形態を示している。更にNMR分析より、ペンタジイニル配位子は白金からの電子の流れ込みにより、電子豊富な状態になっていると推測される。従って、この錯体は固体触媒上での不飽和炭化水素の活性化モデルとみなせる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)