Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
側鎖にアルコキシ基を有するポリメタロシロキサンの合成に関する基礎研究の一環として,ジフェニルシランジオールとシクロペンタジエニルチタン誘導体の反応により,シクロペンタジエニル環状チタノシロキサンを合成した。また,そのスチレン重合触媒としての機能を検討した結果,ポリスチレンが良好な収率で生成し,重合活性はチタンの官能基に依存することがわかった。 シクロペンタジエニル環状チタノシロキサンは,ジフェニルシランジオールとシクロペンタジエニルチタン誘導体をトリエチルアミン存在下で反応させ,副生する塩をろ過してから再結晶することにより白黄色粉末として単離した。これらはケイ素-酸素-チタン-酸素結合を主鎖とする環状8員環であり,ケイ素上に2つのフェニル基,チタン上にシクロペンタジエニル基およびエトキシ基,イソプロポキシ基,t-ブトキシ基,、クロロ基,シクロペンタジエニル基の官能基を有する。これらは,核磁気共鳴,赤外吸収スペクトル,質量分析などにより同定した。 次に,スチレンとシクロペンタジエニル環状チタノシロキサンを混合し,50℃で穏やかに加熱することによりスチレンを重合した。系内にメタノールを添加することにより重合反応を停止して析出する白色粉末をろ過・乾燥することによりポリスチレンとして単離した。対照実験として,シクロペンタジエニル環状チタノシロキサンが無添加のときは重合しないことから,その重合活性を確認した。ポリスチレンの重量平均分子量は250,000〜43,000であり,収率はチタン上の官能基によりシクロペンタジエニル基>クロロ基>t-ブトキシ基の順に低下した。また,これらの重合反応はシクロペンタジエニル基とチタン原子の間にスチレンが挿入する機構により進行すると示唆された。
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