主鎖方向に双極子能率を有する棒状高分子の極性構造形成のメカニズム解明と応用
Project/Area Number |
11750772
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡邊 敏行 (渡辺 敏行) 農工大, 工学部, 助教授 (10210923)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 非線形光学 / 光第二高調波発生 / 芳香族ポリエステル / ポリペプチド / キラリティー |
Research Abstract |
我々は、何種類かの剛直な芳香族ポリエステルが、分極処理せずとも2次の非線形光学を示すことを見出した。この高分子はモノマーの非対称的な構造から、主鎖方向に極性を有していることが予想された。そこで光第二高調波(SHG)を用いて、配向した試料の非線形分極が主鎖と平行方向であることが確認した。また、この高分子は重合度が30を超えたときには自発的に極性構造を形成するが、非晶状態では2次の非線形性が発現せず、液晶状態が極性構造形成の鍵を握っていることを見いだした。そこで、我々は芳香族ポリエステルに類似した棒状剛直で液晶を形成する高分子としてポリペプチドを取り上げ、その2次の非線形光学特性について検討した。フィルムに垂直にNd:YAGレーザーを照射し、入射光の偏光を回転させながらSHGを測定した。試料に家蚕より抽出した絹糸を用いて、延伸倍率とSHGの関係を調べた所、延伸方向に対して45_°傾けた偏光面を有する基本波が入射したときに、最も強いSHGが得られた。また、延伸倍率が低い試料でもSHGが観察されるが、その偏光依存性は明確でなく、SHG強度も大変弱かった。また、エリ蚕から抽出した絹糸や黄金蜘蛛から抽出した糸でも、同様なSHGが観察された。いずれの試料においても最大のテンソル成分はdxyzであった。これらの実験事実からポリペプチドの2次の非線形性はキラリティーに基づいていることが明らかになった。したがって非線形性の起源が芳香族ポリペプチドとポリペブチドでは異なっていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)