Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
二軸伸長プロセスである同時二軸および一軸延伸過程を,He-Neレーザーを用いた複屈折計測装置,画像解析による形状変化をオンラインで詳細に解析した.結晶性高分子材料として材料物性データが豊富にあるポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN)を用い,二軸延伸機を用いて厳密に制御した温度,一定ひずみ速度条件下で伸長応力変化を測定し,同時にレーザーを利用したオンライン複屈折測定システムによって,様々な伸長温度およびひずみ速度下での位相差の変化を詳細に測定した. PETの延伸においては,ひずみ硬化は温度・ひずみ速度に依存せず,ほぼ同じひずみで生じ,一軸延伸過程に比べて低ひずみを示した.また,等二軸延伸過程にも関わらず,ひずみ硬化が起こる前に,フィルム面内に光学異方性が生じ,この異方性はさらにひずみを増加させることによってほぼ消滅した.また,異方性が生じるひずみでの複屈折は約0.025であり,この臨界複屈折以下では応力光学則が成立することが示唆された.臨界複屈折0.025はひずみ速度および温度依存性を示さず,また一軸伸長過程でもほぼ同じ値を示すことが確認された.オフライン測定によるDSC測定,密度測定,広角X線回折やIR測定などによって,応力光学則から逸脱領域では結晶化が開始していると判明した. PENの延伸においては,ガラス転移温度(Tg:115℃)より20〜30℃程度高い温度では,不均一延伸となった.特に降伏が生じる延伸倍率(2.0倍)を超えるとフィルム変形に不均一が生じるが,さらに高い延伸倍率(3.5)では均一延伸と変化した.また,この挙動はひずみ速度依存性を示し,ひずみ速度が大きい場合,不均一変形が生じる延伸倍率は低くなった.さらにTg+40℃の160℃の延伸温度で,比較的低ひずみ速度条件下では均一変形となる挙動を示すことが明らかとなった.応力光学則の適用性に調べた結果,延伸初期ではほぼ光学則に従うが,延伸倍率が高くなると延伸応力が大きくなる以上に複屈折の変化が大きくなり,また延伸温度が高い場合または低ひずみ速度下では光学則からの逸脱は低応力で生じることが示唆された.
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