Project/Area Number |
11750787
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 原子状酸素 / 低地球軌道 / 地上試験 / 軌道上試験 / ポリイミド / 大気曝露 / XPS / 宇宙環境 / 高分子材料 / 材料劣化 / 宇宙実験 |
Research Abstract |
本研究は原子状酸素を照射した高分子表面が大気曝露を受けない宇宙空間では実際にどのような状態にあるのかを明らかにする事を研究目標とし、原子状酸素照射後の高分子の表面状態を大気曝露前後で比較し、宇宙実験サンプルへの大気曝露の影響を明らかにしようとするものである。試料としては代表的な宇宙用高分子であるポリイミドを選び、レーザーデトネーション型原子状酸素発生装置を用いて作成した超熱原子状酸素ビームを試料表面に照射し、大気曝露前後での表面状態の変化をX線光電子分光法を用いて検証した。実験の結果、原子状酸素照射後のポリイミド表面は大気曝露を行わない場合には酸素濃度が増大し、またX線光電子スペクトルの形状も照射前と大きく変化したが、大気曝露後は徐々に酸素濃度が減少するとともにスペクトル形状の変化も小さくなり、曝露前の表面状態に戻ってゆくことが明らかになった。ClsX線光電子スペクトルにおいては、大気曝露前にはカルボキシル基に起因するピークが大きく、多量の原子状酸素が化学吸着していることが示された。本実験で得られた大気曝露後のスペクトルは宇宙実験の結果得られているスペクトルと酷似しており、宇宙実験でサンプルを地上に回収後に得られたXPSスペクトルは大気曝露の影響を強く受けており、実際の軌道上での表面状態を反映していないことが明らかになった。また、水晶振動子マイクロバランス上に形成したポリイミド薄膜の質量変化を原子状酸素ビーム照射中にin-situに測定したところ、原子状酸素照射直後には、一旦、質量増加が観測された後に定常的な質量減少が観測された。コンピューターシミュレーションの結果より、90%以上のガス化反応は酸化された表面で生じていることが示唆され、ポリイミド表面の酸化プロセスがLEOにおけるポリイミドのエロージョンを理解する上で重要であることが示された。
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