Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
筆者は,機体の空力特性を推定することを主目的とした遠隔操縦実験機(Remotely-Piloted Research. Vehicle, R.P.R.V.)を用いた簡易飛行実験システムを開発し,得られた飛行データの解析法についての研究を行ってきた. 飛行実験においては,風洞実験と異なり,機体の空力特性に寄与する複数のパラメータ(説明変数と呼ぶ)のうち,どれかひとつのみを変化させて実験を行うようなことはできず,説明変数間の強い相関,すなわち多重共線性の発生により,空力特性の推定結果が劣化することが知られている.精度よく空力特性を推定するためには,この多重共線性発生の物理的原因を明らかにするとともに,多重共線性の影響を排除することができるような,適切な飛行実験の方法を見出すことが必要である. そのような多重共線性の発生原因の一つは,飛行機を運動させるために操舵が必要であるためであり,そのことに対処する方法として機体後方に配置した新たな舵面(Flying Sting Balnce)を付加し,その舵面が発生する力とモーメントを測定しつつ,操縦に利用する方法を考案した.また,揚力とピッチングモーメントの測定が可能なFlying Sting Balanceを開発し,前述の無人実験機に取り付け,飛行データの取得に成功した. 得られたデータから,Flying Sting Balanceが舵面に起因する多重共線性の排除に有効であること,また,機体の慣性能率が未知であってもモーメント特性が取得できることが示された.さらに,空力モデルの構築において,既にモデルに存在する説明変数と,新たにモデルに加えようとする説明変数との回帰残差を新たな説明変数として加え,多重共線性の影響を排除しつつ,偏回帰プロットによって,新たな説明変数の寄与を評価して段階的に説明変数を加えていく手法を考案した.
|