Project/Area Number |
11750801
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
海洋工学
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 悟 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (00253542)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 曳航体 / 運動制御 / シミュレーション / ケーブル / 数値シミュレーション / ランプドマス法 |
Research Abstract |
曳航式海洋観測ロボットを対象としてフライトシミュレーションシステムの開発を実施した。 1)ケーブル運動のモデル化 より深い水深までの計測を実施するためには長大な曳航ケーブルが必要となり、その長さは数百メートル以上となるため、曳航体、曳航ケーブル、曳航母船より成る系全体において曳航ケーブルの運動が支配的となる。ケーブル運動のモデル化にはランプドマス法、差分法などが多く用いられる。LQIコントローラ等のモデルベースの制御系の設計には対象の動力学を正確に表現する数学モデルが不可欠であるが、ランプドマス法、差分法に基づくケーブル運動のモデルは制御系設計のためには適さない。そこでケーブル運動の基礎方程式を固有関数展開を用いることにより近似し、数学モデルとして採用することを考え、モデルの精度について検討した。 2)非定常揚力の影響 海中ビークルの運動制御に用いられる動翼の発生する揚力は通常、定常近似を用いて表現され、運動制御系もこのモデルに基づいて設計される。設計された制御系を用いた実海域での運用時に、シミュレーションでは発生しない尾翼の振動を原因とする制御の不安定性が見られたことから、これまで使用してきた数学モデルの尾翼に関する部分に誤差を含んでいることが考えられた。そこで、観測中の各動翼の運動データに基づいて、翼に発生する非定常揚力をシミュレートし動翼の数学モデルを検討した。その結果、運航中曳航体のピッチ角とロール角を制御するために使用される尾翼は絶えず短周期の振動を続けており、発生する揚力は定常近似ではうまく表せないことを確認した。この非定常影響を一時遅れモデルで近似する方法を提案し、これに基づき制御系の設計を行った例を示した。 3)海洋実験による検証 得られた数学モデルに基づいてLQI制御方式による運動制御系を設計し、海洋実験でその有効性を調査した。その結果定常状態においては、深度は1m以内、ロール角とピッチ角の振幅は2度以内に押さえられ、連続的な深度変更時にも指令深度に対する遅れの少ない優れた制御性能を示した。
|