湛水深のコントロールを用いた水稲生育制御の新水稲栽培技術としての確立
Project/Area Number |
11760014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
作物学
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大江 真道 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (60244662)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 分げつ / 深水 / 根系 / 栽植密度 / 生育制御 / 水稲 / 有効茎歩合 / 深水管理 / 根の重心 / T / R比 / 湛水深 |
Research Abstract |
水稲の安定多収栽培の一つとして一部の篤農家で行われている深水栽培を、一般の農家が利用できる生育制御技術として確立するための基礎的知見を得るために、深水栽培条件下の1)水稲の生育、2)根系の発達、3)根系の生理機能の変化や特徴を検討し、さらに4)収量の増大の可能性を検討するために栽植密度の増加に対する生育と収量反応性について評価を行い次の結果を得た。1)分げつ盛期から始める約2週間の深水処理は品種を問わず有効茎歩合を大きく改善することを認めた。2)深水期間中の深水区の根の発達は分げつの出現抑制と同調して抑制され、一時的に慣行浅水管理の対照区に比べて劣ったが、慣行の栽培管理で根量増加の停滞や減少が認められる最高分げつ期以降の時期(深水区の処理完了以降の時期に相当)においては量、分布の様相とも劣ることはなく、出穂期以降の収量に貢献の高い時期には対照区を上回る傾向を示すことを明らかにした。3)深水処理期間中の根の活力(本研究においては呼吸量を活力の指標とした)は対照区よりも高い傾向が認められ、個々の根の機能は深水下であっても高く維持されていることが明らかとなった。処理終了後の活力は対照区と同程度に推移した。4)深水処理による増収の可能性を検討した結果、深水処理を適期に行うことで慣行の栽植密度区(22株/m^2)では約30%収量が増大した。有効茎歩合の高い生育型を示す深水区では、群落の生産構造に無駄のないことから田植機で実施可能な最大の栽植密度(30株/m^2)に設定したところ、さらに約10%の増収効果が認められた。深水処理による1株籾重の増大の効果と併せると慣行の栽培法に比べて約40パーセントの収量増の可能性が推察された。 以上のように本研究では、水稲の生育に対する深水処理の効果を詳細に検討し、本栽培方法が生育制御技術として有効であることを示すことができた。また、本方法を実栽培に導入した際の増収程度と、最大限実現可能と考えられる増収率を具体的に示すことが出来た。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)