マクロリド抗生物質ポリナクチン類に関する生物有機化学的研究
Project/Area Number |
11760083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清田 洋正 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30234397)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | パママイシン / ポリナクチン / 全合成 / ヨードエーテル化 / 生合成 / イオノフォア / 抗生物質 / マクロリド |
Research Abstract |
ポリナクチン類およびパママイシン類は、Streptomyces属放線菌に由来するマクロリド系抗生物質である。ポリナクチンは殺ダニ剤マイトサイジンSとして醗酵生産により実用化されているが、これは比較的低活性な5種類の同族体の混合物である。また近年P170糖タンパク質を介在する多剤耐性細胞の阻害効果が見つかり、注目されている。パママイシン-607は、同族体の中でも最も気菌糸形成促進活性が強く、またこれも幅広い抗菌スペクトルを示す。前者についてはより高活性なアナログの開発、後者は初の全合成を目指した研究を行った。 ・ポリナクチン:より高活性が期待されるビスホモノナクチン酸のテトロリドの調製に成功した。 (±)-ビスホモノナクチン酸ベンジルの大量合成経路を確立、アセチルマンデル酸の誘導体に導いて両鏡像体を調製した。不斉還元反応等による光学分割は最大50%ee程度であった。ピリジルチオエステルを経由し、高収率でテトロリドの合成を達成した。また、菌体を用いたテトロリドの合成を検討した。設計した生合成中間体(ビスホモノナクチン酸前駆体アナログ)からは目的物のテトロリドが生成したが、収量はコントロールよりも減少した。この生合成中間体は同時に生合成阻害剤としても働くことがわかった。これは菌体に取り込まれた後に嵩高いイソプロピル基がフラン環化を阻害しているためと考えた。 ・パママイシン/北半球部:トランスのアリルアルコールにシャープレスの不斉エポキシ化反応を用いて不斉を導入、アンチアルドール骨格を構築、これを変換して光学活性な東半球部分および北半球部分の骨格を合成した。 ・パママイシン/南半球部:エバンズの不斉アルドール反応を用いて、高選択的にシン-アルドール骨格を構築した。生じたアルコールをt-ブチルエーテルとして、ヨウ素を用いてシス選択的ヨードエーテル化を行った。その後官能基変換を行って南半球部分の合成を達成した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)