Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
我々は,クロロフィル分解系を調節する新規活性化合物の研究を行ってきた。その過程で,タバコ培養細胞を用いて合成化合物の活性を検討した。その結果,タバコ培養細胞中に13^2-hydroxychlorophyll aの蓄積を誘導する新規化合物(RWH-21)を見出した。植物に13^2-hydroxychlorophyll aの形成は,植物ホルモンであるエチレンや化学物質を植物処理した時に形成されるが,通常な条件下においては,クロロフィル分解物質は極めて微量で存在し,その多くはポルフィリン骨格を有している。このことから,ポルフィリンの光増感作用により,ラジカル反応を関与した分解反応が極めて迅速に進み,クロロフィルの分解物質が極めて検出・精製しにくい。本研究で見出したRWH-21は,タバコ培養細胞中に大量な13^2-hydroxychlorophyll aの蓄積を誘導することから,クロロフィルの分解物を精製する可能性が示された。本年度においては,まず,RWH-21で処理したタバコ培養細胞と無処理区と比較し,逆相HPLCでクロロフィル分解物の分離・精製を行った。RWH-21処理区においては,同定された13^2-hydroxychlorophyll aのほかに,新たに3種類の蛍光物質の蓄積が判明された。これらの蛍光物質の蛍光スペクトルには,420nmおよび665nm付近にポルフィリン環に特有な蛍光ピークが示され,また,これらの蛍光物質は,RWH-21処理により誘導され,13^2-hydroxychlorophyll aの蓄積と共に蓄積されることから,クロロフィルの分解物である可能性が示唆された。しかしながら,これらの蛍光物質の量は,タバコ培養細胞中に蓄積される13^2-hydroxychlorophyll a量の約百分の一しか存在しないことが判明された。現在,これらのクロロフィル分解物質の構造を解明するために,LCMS測定法を検討中である。
|