Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
ポリフェノール化合物の分布を調べるため、緑藻、褐藻、紅藻の食用海藻からカテキンならびにその他のフラボノイド類を有機溶媒により抽出を行い、高速液体クロマトグラフにより測定を行った。この結果、陸上植物に比べて異なる成分を多く含むことが明らかになり、それらの抗酸化性に関しても作用機構が相違することが予測された。この抗酸化性の発現に関して、一般に報告されている茶やワインと比較したところ、これら陸上植物では抗酸化性を発現する成分が、酸化されて化学形を変えているのに対し、海藻から抽出された成分は現存の測定方法では形をかえておらず、両者には異なった成分もしくは作用機構が働いていることが推測された。これまでの研究成果は、2000年8月に行われたインドネシアにおける"The JSPS International Symposium on Fisheries Science in Tropical Area"で"Polyphenolic compounds from seaweed:Distribution and first approach to find out useful effect as antioxidant"の表題で講演すると共に、2000年9月のドイツにおける"20th International Conference on Polyphenols"で"Antioxidant activity of polyphenolic compounds from seaweed and tea in oil emulsion model"の表題で発表を行い、現在論文作成中である。さらに、これら作用機構解明の一端として、鉄や銅などの酸化触媒に対するキレート形成効果に視点を置いて、海藻成分に茶やワインと同様のキレート形成効果があるのかなどを現在検討している。