Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
地下水の塩水化は,地下水利用によって生じる代表的な地下水障害のひとつである.大量の地下水を利用してきた沿岸部では,淡塩境界面が上昇して揚水中の塩分濃度が高くなり,地下水の継続的な利用が困難になっている.本研究は,塩水化の調査法と解析法を確立し,塩水化対策と予防策の立案に役立てることを目的とした.そのために,1)現地調査の実施と調査手法の改良,2)数値解析による塩水化過程の解明の2点について調査・研究を行った. 1)では,高知県の太平洋沿いの地区と、島根県の宍道湖沿岸の地区を対象とし、塩水化状況と地下水環境を調査した.両地区において比抵抗法電気探査を実施し、塩水層の深さと分布を明らかにするとともに,帯水層定数,井戸の位置と揚水量,基盤の深さなど,数値解析を行う際に必要なデータを収集した.さらに,塩水化の調査に用いる電気探査法を改良し,従来の手法が持っていた曖昧さを排した手法を確立した. 2)では,塩水化現象を解析可能な数値モデルを用い,調査結果に基づいた解析を実施した.そして塩水化の原因と過程について検討し,対象地区における塩水化の主要因について考察した. 調査と解析の結果から,塩水の浸入は海岸や湖底に加えて,感潮河川の河床からも生じていることが明らかになった.地区によっては,河床からの浸入が塩水化の主要因となっている例も見られた.逆に、河川流量と河床勾配によっては,河川からの伏流水が地下水位を上昇させ,塩水化を軽減するような現象も観測された.
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