電気分解強酸性水噴霧による作物病害防除法確立のための実証的基礎研究
Project/Area Number |
11760181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物環境
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富士原 和宏 (冨士原 和宏) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30211535)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 電気分解 / 電解水 / 強酸性水 / 病害防除 / うどんこ病 / キュウリ / トマト / 有効塩素 / 発病度 / 陽極水 |
Research Abstract |
KClなどのイオン結合塩化物の希薄水溶液を電気分解したときに陽極側に生成される強酸性で有効塩素を含む水を電気分解強酸性水(以後,強酸性水)という。本年度はこの強酸性水を作物に噴霧した場合にしばしば観察される葉やけ様の生理障害の発生メカニズム解明の基礎データを得る試験を再度行うことを第一課題として当初計画したが,より優先順位が高いとの判断から,強酸性水のpHおよび有効塩素濃度(以後,ACC)が病害防除効果および生理障害発生に及ぼす影響を調べることにした。pHおよびACCを任意に設定した強酸性水を生成することは不可能であるため,蒸留水にHClあるいはNaOHおよびNaC10を添加してpHおよびACCをそれぞれ調節した水(調節水)を供試植物のトマト株に噴霧した。その結果,トマトうどんこ病防除には,1)2.7以下のpH,2)2.5のpHと20mgL^<-1>以上のACCの組合せ,および3)50mgL^<-1>以上のACCが有効であることが示された。1)においてはpHが低いほど,2)においては高いACCとの組合せほど有効であった。また,トマト葉に生理障害を発生させるのは,1)2.7以下のpH,および2)20mgL^<-1>以上のACCであることが示された。1)においてはpHが低いほど障害の程度が大となる傾向があった。第二課題として当初計画した強酸性水の噴霧が作物の光合成速度に及ぼす影響については,実用場面で直接的問題となる生育に焦点を当てるべきとの判断から,生育に及ぼす影響を調べることにした。その結果,強酸性水(pH:2.8;ACC:34mgL^<-1>)を週2回噴霧したキュウリ株の,第4・8・12葉の合計葉面積については蒸留水を噴霧した株のそれより有意に小であったのに対し,草丈および全展開葉乾物重については,蒸留水を噴霧した株のそれらと有意差はなかった。このことから,強酸性水噴霧によるキュウリ株の生育抑制は,実用場面で問題となる程度ではないと考えた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)