Project/Area Number |
11760208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
塚本 康浩 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (90305657)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ギセリン / 細胞接着分子 / 発生 / 再生 / 癌 / 鳥類 / ニワトリ / ウズラ |
Research Abstract |
細胞接着は単に細胞と細胞もしくは細胞と細胞外基質を接着させ組織構築の維持を行っているのみではなく、発生期の組織形成さらに癌化、炎症反応、組織再生といったダイナミックな変動にも深く関与している。細胞接着分子は直接的に細胞が外界を認識するアンテナとなり、さらにはその手足となって細胞運動を制御している。このことより、正常組織だけではなく病理組織形成を理解する上で細胞接着分子を研究することは重要であると考えられる。本研究では、鳥類の発生、再生、癌転移における新しい細胞接着分子ギセリンの役割を解析し、次の成果を得た。 1)ギセリンは鳥類においてギセリン同士の同種分子間結合能の他にラミニンに属する神経突起伸展因子(neurite outgrowth factor:NOF)との異種分子間結合能も有し、それらが組織形成に重要であることが証明出来た。また、2)ギセリンの発現はNGF,EGF,estrogenを含む外的因子により増強することが明らかとなった。さらに3)ギセリンは再生組織や悪性腫瘍細胞とその転移部位にも強発現することを明らかにした。また、抗ギセリン抗体は卵管癌細胞の腸間膜転移を抑制することが証明された。 これらの成果はギセリンが発生だけではなく再生や腫瘍などの病的組織の形成にも関与することを示唆しており、今後、損傷部位にNGF,EGF,estrogenを添加することで、ギセリン発現を増強させ創傷治癒の促進に応用出来るかもしれない。また、抗ギセリン抗体の癌治療への応用も期待できる。さらに、鳥類だけではなく、マウス、ラットを含めた哺乳類におけギセリンの同定も求められる。
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