寄生虫・エキノコックスの終宿主免疫応答の解析と抗原解析による免疫誘導への可能性
Project/Area Number |
11760210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied veterinary science
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野中 成晃 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (50281853)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | エキノコックス / 多包条虫 / 終宿主 / 再感染防御 / 糞便内抗原 / CRP / 抗体 / 経口免疫 / IgA / 腸管内IgA |
Research Abstract |
終宿主におけるエキノコックス再感染時の獲得抵抗性を観察するために、虫卵形成異常を示すエキノコックスの分離株Aと正常な虫卵形成を示す分離株Bを用いて犬への感染実験を行った。再感染群には分離株Aを経口投与し、5週間後に分離株Bを経口投与した。対照群には分離株Aの投与は行わず、分離株Bのみを経口投与した。エキノコックス成虫に対するモノクローナル抗体、EmA9およびEmiで糞便内抗原の排出動態を観察したところ、再感染群の分離株B投与後の抗原排出量は対照群よりも抑制され、再感染時に分離株Bの定着が制限されたことが疑われた。また、実験感染後の回収虫体は両群とも大きな差がなかったが、再感染群では子宮に虫卵を包蔵しない虫体が多く含まれ、分離株Aの寄生のために、分離株Bの定着が阻害されたことを示唆する結果となった。分離株A,Bの回収数については、回収虫体のDNA分析を適用して算出する予定である。さらに、野外で捕獲したキツネよりエキノコックス成虫を回収し、成虫抗原を作成し、また、密度分離法によって成虫より虫卵を分離して虫卵抗原を作成し、スナネズミ由来の原頭節抗原とあわせて、各種エキノコックス抗原に対する血清抗体価を測定したところ、感染後に血清抗体価が上昇したが、両群間に顕著な差は認められなかった。糞便内IgAについても同様の解析を行う予定である。また、腸管の炎症反応の有無を見るために、血清急性相蛋白(CRP)の経時変化を観察したところ、感染後1週目にCRPの上昇が見られ、炎症が起こっていることが示唆された。 なお、現在、経口免疫の効果判定法として、代替終宿主であるハムスターに原頭節の感染実験を行い、原頭節抗原、成虫抗原および虫卵抗原を用いたパイエル氏板および腸管膜リンパ節のリンパ球増殖反応の実験系を確立中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)