中枢神経系の神経回路形成過程におけるコラプシン-1の分子機構解析

Research Project

Project/Area Number	11770003
Research Category	Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
Allocation Type	Single-year Grants
Research Field	General anatomy (including Histology/Embryology)
Research Institution	The University of Tokyo
Principal Investigator	谷口雅彦東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70260346)
Project Period (FY)	1999 – 2000
Project Status	Completed (Fiscal Year 2000)
Budget Amount *help	¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000) Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000) Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Keywords	セマフォリン / 軸索ガイダンス / 反発因子 / 成長円錐 / ノックアウトマウス / 嗅球 / 神経回路形成 / semaphorin / 反発性ガイド分子
Research Abstract	複雑な脳神経系において機能的な神経回路を形成する過程において軸索ガイダンス分子が重要な働きをしている。セマフォリン分子の中で、セマフォリン3Aは軸索の反発性ガイド分子であることが示唆されている。セマフォリン3Aノックアウトマウスを解析することにより、セマフォリン3Aの神経回路形成過程及び高次脳機能における機能を解明することを目的としている。現在までに、セマフォリン3Aは初期発生中の末梢神経系の神経回路形成過程に必須であること、セマフォリン3Aの機能的なレセプターがニューロピリン-1であることを共同研究により解明した。本研究では成体のセマフォリン3Aノックアウトマウスにおける中枢神経系の神経回路形成及び高次脳機能の解析を行っている。セマフォリン3Aの発現は胎仔期だけではなく、成体の中枢神経系、特に、嗅球・副嗅球の神経投射路に発現が高く、嗅神経がセマフォリン3Aによりコラプスするので、先ず嗅神経の神経投射路を解析した。嗅神経の特定の神経線維を染色する抗体(OCAM抗体とニューロピリン-1抗体)で免疫染色を行い、ワイルドマウスとノックアウトマウスを比較した。嗅上皮の嗅細胞から嗅神経は嗅球の僧帽細胞・房飾細胞とシナプスを形成する糸球体に投射している。嗅上皮はゾーンI〜IVに分けられ、OCAM抗体はゾーンII〜IVから投射する嗅神経を染色する。また、ニューロピリン-1はセマフォリン3Aのレセプターである。これら2つの抗体とNCAM抗体(すべての糸球体を染める)により糸球体のマップ作製を行い解析した結果、OCAM及びニューロピリン-1抗体によるマップの投射異常が明らかになった。また、僧帽細胞層の形態異常も認められた。このような異常が認められたノックアウトマウスの報告は現在他にはない。現在はこれらの異常が匂いに対してどのような機能異常を起こすかという機能的解析を行っている。